概要
 清和県民の森は、明治百年記念事業の一環として昭和49年に開園しました。
近年、東京湾アクアラインの開通により首都近郊との交通アクセスがよくなり、
全国でも有数の面積を誇る水と緑に恵まれた自然の宝庫として位置づけできます。
また、自然を楽しむ人々や数多くの野鳥や小動物にも貴重な安息の場所を
提供しています。
この周辺一帯はコナラ、スダジイ、カシ等の広葉樹とモミ、ツガ等の針葉樹が混生する
森林地帯です。春には君津市の花でもあるミツバツツジやヒカゲツツジ、ヤマザクラや
ソメイヨシノなどが咲き誇り、秋には千葉県で一番遅いと言われる紅葉が11月下旬から
山々を染め始めます。
こうした自然環境に恵まれた森林内には沢山の動物の宝庫でもあり、ニホンサルや
タヌキの姿を見ることもあります。とりわけ地域の人々と共に取り組んでいるのが
「清和ほたるの里」作りであり、自然発生のほたるを見ることができる場としてその数は
年々増加し、多くの人々に幻想の世界を与えています。
気候
気候温暖で植物は極めて豊富であり樹木の生長は順調
気温
平均気温は千葉市に比べて低い13.5度です。
雨量
降水量は海岸地区に比べやや少なく年間2,000mm程度。
地形
 房総丘陵のほぼ中央に位置し、小糸川の源流から上流の約3200ヘクタールの 面積を有します。約8割が山岳地で八郎塚・高宕山など300メートル前後の山々が 連なり急峻な地形を川が蛇行しています。区域内には小糸川を源流に三島湖(農業用)、 豊英湖(工業用)の二つの人造湖があり、緑と水の美しい景観を作りあげています。
植物層
 尾根から斜面にかけて、10m以上のシイ・カシなどの常緑広葉樹林、コナラなどの落葉樹林、 スギ、ヒノキの人工林が見られ、尾根付近ではヒメコマツ・ヒカゲツツジが自生し、谷では タマアジサイ・アオキなどの低木林、フサザクラ・ケヤキ・アカメガシワの落葉樹林が見られます。
主な植物
常緑高木
アカガシ、ヤブニッケイ、モチノキ、シラカシ、タブノキ、スダジイ、ウラジロガシなど
常緑小高木
ヤブツバキなど
常緑低木
トベラ、アセビ、サカキ、ヒサカキ、ミヤマシキミ、シロダモ、アオキなど
落葉高木
コナラ、ヤマザクラ、アズキナシ、ウリカエデなど
落葉小高木
ヤマウルシ、シラキなど
落葉低木
ミツバツツジ、ツクバネウツギ、ヤブムラサキ、ハナイカダ、ガマズミ、マルバウツギ、
ヤマツツジ、クロモジ、ムラサキシキブ、ヒメウツギ、タマアジサイ、カマツカなど
針葉樹
モミ、ヒノキ、アカマツ、カヤなど
 

小低木・ツル・シダ
シュンラン、アオツヅラフジ、
サルトリイバラ、ホトトギス、
コウヤボウキ、カンアオイ、
クサアジサイ、ノブドウ、
ヤマアジサイ、イズセンリョウ、
ミツバアケビなど
動物層
哺乳類
 ニホンザル、ニホンシカ、イノシシ、ホンドタヌキ、アナグマ、ホンドイタチなど
鳥類  

留鳥(ほぼ1年中同じ所か小さい移動をする野鳥)
スズメ、ハシブトカラス、ハシボソカラス、トビ、
メジロ、ウグイス、エナガシジュウカラ、ヤマガラ、
カワセミ、コゲラ、コジュケイ、キジ、ヤマドリ、
キジバト、ヒヨドリ、ムクドリ、モズ、カケス、
ホオジロ、カルガモなど夏鳥 (春の終わりに南方から飛来し、夏の終わり
に帰っていく野鳥)
オオルリ、サンコウチョウ、センダイムシクイ、
ホトトギス、アオバズク、ツバメ、サシバなど
冬鳥(秋頃北方から飛来し、冬の終わりから春の初めに帰って行く野鳥)
アオジ、ツグミ、ルリビタキ、ジョウビタキ、マガモ、ヒヨドリ、ミサゴなど
両生類
トウキョウサンショウウオ、イモリ、
アズマヒキガエル、タゴガエル、ウシガエル、
モリアオガエル、カジカガエル、
シュレーゲルアオガエルなど
爬虫類
クサガメ、イシガメ、トカゲ、カナヘビ、マムシ、シマヘビ、ヤマカガシ、アオダイショウなど
昆虫  

トンボ類
コオニヤンマ、ミルンヤンマ、ギンヤンマ、
ハグロトンボ、ヒガシカワトンボなど
チョウ類
ジャコウアゲハ、モンキアゲハ、ムラサキシジミ、
ウラギンシジミ、キチョウなど
セミ類
ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、ヒメハルゼミ、
ヒグラシなど
甲虫類
カブトムシ、クワガタムシ、ゲンジボタル、ヘイケボタルなど